怪魚バラマンディ狙いの旅

日本から飛行機で約6時間。久しぶりにバラマンディを狙おうと、タイを目指す事にした。深夜便での移動につき、機内で就寝…なんて思ってたけど、やはり寝付けないまま、早朝のスワンナプーム国際空港に到着。不要な荷物はBelluggへ預け、早速タクシーに乗って釣り場へ向かう。

紫銀の鱗に覆われ、黄金の眼を持つクールな魚体、ゴンっとロッド全体に衝撃が走るバイト、水柱&水飛沫を上げながらの大ジャンプ、ドラグをガチガチに締めても余裕でラインを引き出して来る馬鹿力。そんな唯一無二の釣りを満喫する為だけに、片道4800kmを移動してきた。エキサイティングファイトを求め、いざ実釣開始。

ところが、状況は激シブを極め、1尾を手にするまで悪戦苦闘。どこにルアーを投げても生命反応が無い。以前の爆釣パターンも全く通用せず、早くも成す術無し。遠投を止め、岸際に潜んでいるであろうバラマンディを狙う為、ピンポイント撃ちに作戦変更。これによって何とか結果は得られたものの、豪快な展開を期待していただけに、やや不完全燃焼。

ところで、タイの駐在員時代から約10年が過ぎた。当時、休日はバラマンディ釣りに明け暮れ、多くの釣り仲間達とここに足を運んだものだ。仲間達は既にこの国を離れたが、フィールドには思い出が点在していて、仲間達の姿が至る所に見える…そんな気がした。更にこの釣り場に立っているプルメリアの木には特別な思い出があり、当時と変わらぬ綺麗な花が咲いていて、時間が戻った様な…そんな錯覚。

大好物のカオパットクン(海老炒飯)。プリプリの海老のほか、ライムとトマトの爽やかな酸味がイイ感じに効いている。ここの炒飯は、世界一美味い炒飯だと思う。見るもの、食べるものの全てに思い出が詰まっていて、やや情緒的な遠征釣行になってしまったけど、世界の何処かに再び戻る事が出来る釣り場があるなんて、幸せだなと思ってみたり。さて…今夜の便で帰るので、納竿。また会う日まで。